当ピアノ教室には現在、5歳~ご年配の方まで、幅広い年齢の方が通っています(^▽^)/
ピアノを上手に演奏するために、どの年代の方にも変わらずお伝えしていることがあります。それはずばり、
脱 力
です!「脱力」とは、読んで字のごとく、力を抜くことなんですが、演奏する上ですご~く大切なのに、なんとも抽象的でお伝えしづらく、わかりづらいという難点があります。指を動かすためには力が必要なのに、どうして力を抜くの???と、訳が分からず混乱する方も。
確かに、ピアノを弾くための筋力は必要なのですが、身体や腕に力が入り過ぎると、逆に指の動きの妨げにもなります。やはり肩の力を抜いた状態に保つことが、きれいな音を出すコツですね。
脱力してきれいな音を出すために
当教室の生徒さんには、突然「脱力して!」という言葉に混乱しないよう、そしてリキみなく自然な身体の使い方が出来るよう、習い始めの段階から気を配っています。手や腕の筋力が弱い子、指を一本ずつ動かすのが人より難儀な子、腹筋が弱くてまっ直ぐ座るだけで疲れる子・・・個性によりそれぞれ違いますし、対応も変わりますが、小さな生徒さんに共通してやることがあります。
①全身運動
手作りの棒を使って腕を上げたり下げたり、横に伸ばしたりしゃがんだり…筋肉を養う全身運動もリズムや音に合わせて行えば同時に複数の感性を養えます。楽しく出来てリラックスできて、みんな大好きな作業です(^^♪ 右・左の理解も早い段階で進み、一石二鳥、三鳥、いや四鳥?!
②お手玉
お手玉を投げてキャッチしたり、ギューッと握ってふわっと力を抜く(まさに脱力です)。演奏時の手の形を理解する道具にもなります。指を無理なく鍛える目的のこれらの作業も、ドレミの音階を歌いながらやると、音の高低も同時に理解できます。
③肩、上半身の体操
肩を上げたり下げたり、背中を丸めたり胸を開いたりして、上半身が力んだ状態から緩めることを体感してもらいます
④座り方のチェック
上半身を骨盤にまっすぐ乗せるような感覚で、傾いていないか、どこかに体重が偏っていないかチェックします。力が入ってるなーと感じた時には、肩を上げて~~~~~ストンッと一気に降ろしてもらいます。知らずに力が入っていたことを実感するようです。
その他も、演奏中に息が止まったように緊迫した感じがする時には「息をして~!」と声がけすることも。そんな声がけをすると
「あ、そういえば息してたっけ???」
と気づく生徒さんも多数(* ´艸`)クスクス 自然でリラックスした呼吸は美しいメロディーを生み出すのに大切です。
これらの作業…特にお手玉などは一見、ピアノ演奏とは全く関係のない作業のようですが、実はとても大切なベース作りになると思っています。このようにして必要な筋肉を鍛えながらも身体の力みを取って、指や腕がしなやかに柔らかく動くようになれば、もっともっとピアノを弾くのが楽しくなるはず!!
Mちゃん小学3年生さんの場合。
例えばピアノがとても好きで、小学2年生で習い始めたMちゃん。読譜も上手で弾きたい曲もたくさんあって意欲的ですが、腕や指が細くて筋力が弱く、習い始めは弾くこと自体がとても大変そうでした。それを補うために、時間を惜しまず身体の運動や指体操を続けてきて半年、今ではずいぶんと上手に脱力しながら指を動かせるようになりました。今は基礎練習をしながら「魔女の宅急便」の「風の丘」を両手チャレンジしています(*^-^*)
以上、今日は「脱力」についてのお話でした(*^。^*)皆さんも素敵な演奏のために意識してみてはいかがでしょうか(^-^)b