今日はちょっと真面目な話をします。

先日、上桜木ピアノ教室にお問い合わせを頂きました。
ピアノ経験者である小学校低学年さんの体験レッスンご希望のお問い合わせでした。

ピアノ経験者なのに教室を探しているとは、何か事情があるのかとよくよくお話を伺うと、習ってからずーっとコンクール出場の為だけのレッスンをしてきて心身ともに疲れてしまった、そしてほとんど楽譜が読めません、とのことでした。

コンクール出場を否定はしません。私もこれまで何度となくコンクールに出ましたし、講師になってからは審査員の機会も与えて頂きました。
だけど…。いわゆる「コンクール弾き」をひたすら教わり、ろくに読譜もできないとしたら、講師の立場である私としては、少々焦ります。読譜が難なく出来るように導くのは、講師の大切な役割の一つだと思うからです。

もちろん、コンクールに向けた体力づくり、指の使い方、精神力、などなど、低学年さんといえども得ることはたくさんあります。目標を達成するための前向きな練習意欲にもつながるでしょう。難しいことを乗り越えたからこそ得られるものもたくさんあります。コンクール出場にかける先生の熱い想いがないと成しえないことだとも思います。

ですが今回のパターンは、コンクール出場を望んでレッスンを受けていたわけではなかったため、月毎に迫るコンクールに心身ともに追い詰められてしまった様子でした。
やはり、先生側と生徒側がお互いに納得した形で、みんなでそろって前向きに向かっていってこそ、のコンクール出場なのでは、と思うのですが、先生がどのように考えてどのようにレッスンしているか、よく理解できない状態でレッスンが始まってしまったことが今回のようなことが起きた原因だと思いました。

このような”ボタンの掛けちがい”が起こらないよう、これからピアノ教室を探している方は、どのようなレッスンを受けたいか、どうしてピアノを習いたいと思ったのか、ピアノを習ってどんなふうになりたいのか、などなど、曖昧な漠然としたなんとなくの思いでもいいので、まずは考えてみて欲しいと思います。
そしてその希望とレッスン内容が合う教室を探してみてはいかがでしょうか。

ピアノは長く時間をかけて習得していく楽器です。先生がレッスンに対してどのように考え、どのようにレッスンを進めているかを確認し、先生も生徒も気持ちよく続けられることが一番ですね(^▽^)
私は、今回のことで改めて、生徒さんとは話し合いやコミュニケーションを取りながら、心身ともに健康で音楽を愛せる心を育めるよう、大切に考えながらレッスンしていこう、と思いました。