当ピアノ教室(富谷教室・多賀城教室)には、個性的で魅力的な生徒さんが沢山集まっています(*^▽^*)
そんな中でも、今日はひときわキラリと光る個性の持ち主S君小学1年生のお話。
素直で自分の気持ちに正直で、感受性豊かな甘えん坊さん、といった印象のS君。
幼稚園の年長さんから習い始めた当初より、楽しいことには集中できるけれど、お勉強モードに入ると途端に気分が散漫してしまうので、そうならないように遊びの中にピアノ学習が進むよう、心がけながらレッスンしてきました。
そんなS君の頭の中には音楽が流れている時があって、ピアノに向った途端、感性が爆発して、心のままに鍵盤を鳴らし続けることがあります。そんな時はいつも自分の心の中に浮かぶメロディと真剣に向き合い、「たららら~」とか、「とぅるとぅるとぅるるる」「ふふふ~ん」など、メロディを歌いながら弾くので、その間は絶対に口をはさみません。S君の心には実際はどんなメロディが流れているのかな、と私も真剣に耳を傾けます。そしてそれは大抵「しゃら~~~~ん・・・・・・・・」と、静かに終わりを迎えるので、その数秒の静けさの後、私は拍手喝采です!(≧▽≦)
まだすべての音を学習していないですし、彼の中の音楽を彼自身表現しきれていないと思うのですが(だから口でメロディを言っているのですね)、レッスンがずっと先に進み、自分の音をもっと表現できるようになるその時が、今からとても楽しみです♪
S君のそんなキラリ感性をつぶさないようにとても気を付けながら、けれどやはりレッスンは進めなければならないので、読む、歌う、弾く、などももちろんしますが、S君の弾きたい曲も取り入れています。ジブリの曲集を見せたところ、とても興味を持ってくれて、
「これはみたよ(ジブリ映画を)、これもこれも、あとこれも!」
と、ジブリ映画のそれぞれのワンシーンの挿し絵が乗っている表紙を見ながらいつもたくさんお話をしてくれます。そして、
「ぼくね、これがとってもひきたい!」
と、『千と千尋の神隠し』の「いつも何度でも」の曲を指さして教えてくれました。なので、
「とってもいい曲だよね♪」
と言って、私が弾いてみせたところ、
「ぼく、このめろでぃをきくと、なんだかなみだがでるんだ」
と話してくれました。なんという豊かな感性なのでしょう。そんな言葉に私まで涙が出そうです。早速、レッスンの中に取り入れることにしました。原曲は黒鍵も出てくるので、黒鍵を弾かなくてもいいようにアレンジして変えようか考えましたが、S君にどうしたいか聞いたところ、
「かえないでそのままでひきたい!」
との希望でしたので(そう言うと思ってました)、難しいのでとりあえずメロディだけを先に弾けるよう、レッスンすることにしました。でもあれこれ他のこともやって、最後の数分しが充てられないので、先に進むのに時間がかかっていたのですが、ある日ついに、サビの部分に突入しました。とても真剣に鍵盤に向かうS君。
で、その日のレッスンが終わり、最後のご挨拶、という時に
「ちょっとまって!」
と、なにやらホワイトボードに真剣に書き始めました。何を書くのかな?と思いながら見ていると、
「💮きょうわありがとうございました」
と書いてくれたではないですか!きっと、大好きなメロディの大好きな部分まで進めてよほど嬉しかったのかな、と、なんとも温かい気持ちになりました。
たった週に30分のレッスンですが、レッスンの中で何を伝え、何を育むべきなのかを自分なりに大切に考えながら、これからもレッスンしていこうと思います。