悲しいニュースを見聞きするたび、世界中が平和になりますように、いつも願っている私ですが、普段、子供と接することが多い私は、子供の心こそが悲惨なニュースに心を痛めているのでは?と感じることがあります。

行動範囲が狭い子供たちは、世のなかに起こっていること…コロナだったり、ウクライナの情勢だったり、についての客観的な見方に乏しく、大人の話すこと、先生の話すこと、ニュースで聞くこと、が重くのしかかり、身動きが取れなくなっているのでは、と心配になることも。

「大丈夫だよ」という言葉は、根拠のない無責任な発言だと知りつつ、小さな純粋な心を守りたい一心で、そんな言葉をついつい使ってしまいます。

今、日本は春で、一か月前には満開だったさくらの木は新緑の葉を纏い、木の下を歩くとあたかも緑の香りのシャワーを浴びているかのような、なんともすがすがしい気持ちになります。

そんな穏やかで幸せのあふれる自然の恵みこそを、子供たちにはたくさん感じ取ってほしいと思います。学校ではコロナ禍で外遊びも遠慮がちですが、そんな中だからこそ、せめてピアノのレッスンでは、日本本来の豊かな情緒を感じ取ってもらえたら、その季節でしか味わえない感覚をめいっぱい楽しんでもらえたら、と思いながらレッスンに臨んでいます。

そして、そんな私の気持ちを知ってか知らずか、私の仕掛ける楽しい音楽の誘いに全身で乗ってきてくれる純粋な子供たちの心を守っていきたいと、強く思います。