ピアノは、小さい頃から長く続けることが多い習い事です。なので、私もレッスンを通して生徒さん達と長くお付き合いすることが多いのですが、そうすると、

「お!このコ、今伸びてる!!」

と強く感じる時があります。そんな時はすかさず、そのことを本人に伝えます。だって嬉しいじゃないですか♡

4年生のSちゃんは、1年生の終わりごろ、当教室にやってきました。それまで習っていた先生がお辞めになるということで、私のところに来てくれたのでした。

当ピアノ教室(富谷市・多賀城市)では、入会時に書いてもらうカードがあるのですが、そのカードに

【すきなこと・得意なこと、苦手なこと・嫌なこと】

を書いてもらう箇所があります。なぜなら、それを知っていた方が、その人に合ったレッスンをより早く見つけられるからです。

1年生の終わりごろのSちゃんは、この欄に

「すきなことは、ぴあのをひくこと にがてなことはいっぱいれんしゅうすること」

と自分で書いてくれました!とても正直でかわいいですね(* ´艸`)クスクス

こんなことを素直に書いてくれた通り、Sちゃんはとても自分の気持ちに正直で、明るく前向きに自分を発信できるコです。

レッスンしていくうちに、どうしていっぱい練習するのが苦手なのか、見えてきました。身体の線が細く、筋力も未発達なせいか、背中を立てて一定時間ピアノの前に座ること自体が大変そうでした。加えて、ピアノは楽譜を見ながら弾くので、視力もかなり使います。その一連の作業が、とにかく疲れる様子。

なので、疲れない座り方、手指の使い方など伝授しつつ、疲れた様子が見えそうになった時点で弾くのは終わりにしたり、繰り返し練習を集中して一緒にできた時などはたっくさん褒めて、笑顔のままで帰れるようなレッスンを心掛けました。

レッスンであまりよくできなかった翌週、

「おばあちゃんに、『ほらもっと練習せ~い!!』っていわれた~」

って言いながら、家での練習の成果をレッスンで聴かせてくれたり、なんてこともありました。

そんなSちゃんは4年生。前の教室でお兄ちゃんが使っていた教本のここまで進んだ、というその曲を通り越した頃から、Sちゃんにはだんだん良い変化が現れるようになりました。練習の取り組み方、ピアノに対する興味、などなど。

ある日、新しい教本に進んで、曲を一発で合格できるくらい練習してきてくれたことがありました。

「おお~!すごいじゃない!たくさん頑張ってたんだね👏合格💮」

と、一発合格の時にあげる特別シールをあげました。

「わーやったーーーー!!」

と喜ぶSちゃん。私も嬉しい~(*´▽`*)

それからのSちゃんは、一発合格を連発しました!もう、「つかれた~」という言葉はしばらく聞いていません。読譜の力もぐんぐんついています☆

でも、教材が進めば進むほど一発合格は難しくなるし、難易度が上がれば、曲をまとめるために時間をかけることも必要になってきます。一回で合格することだけが大切ではないことも伝えないとなぁ、と思っていました。

そんな時、一回のレッスンではまとまらない難しい曲の練習に入り、Sちゃんもおうちで取り組んでいた足跡がちゃんと見えましたが、これはもっと時間をかけた方がいい、と思いました。

そのことを伝えながら、ここはどんな感じで弾く?これはどんな音が合うと思う?とか、そんなレッスンをしていたら、

「うん!わかった、じゃまた練習してくる~♪」

と、あっさり素直に、次回まで新たに吟味して練習してきてくれることになりました。

うわぁ、成長したな~Sちゃん!!

と、心から感じ、なんだか感動しました。

以前、幼稚園の教諭をしている方から、

「ピアノの先生は、子供たちと長く付き合って成長を感じられていいですね~。私たちって幼稚園を卒園するまでしか関われないから、ちょっとうらやましいです。」

と言われたことがありますが、確かにそうかも、と思います。個人レッスンだと特に、一対一で関わるので、その年その年で、会話の内容もどんどん大人になっていくその過程を感じます。

個人レッスンだからこそ感じられること、できること、を大切に、生徒さん達とのお付き合いを楽しんでレッスンしていきたいと思いました。